買い物を”思い出”にする仕事。<ビジレザ メンバーインタビュー>

スタッフ インタビュー 町田

ビジレザのものづくりのアンカーを担う販売メンバーたち。彼らがビジレザで自分らしく働いている姿にスポットを当て、お伝えしていきます。今回は、札幌店で活躍する、店長 町田啓介(ニックネーム:マッチ)をご紹介。地元群馬を飛び出し、酪農をするため北の大地へ。農業から販売の道へ至った経緯とは?買い物が大好きだからこそ、対面ならではの温度感を大切にする、町田の想いに迫ります。全店舗の中でも、トップレベルの革靴マスターが心に秘めた、バングラデシュ工場と叶えたい”未来”も必見です!

そうだ!酪農をしよう!と北海道へ。

スタッフ インタビュー 町田

ーマッチは出身が群馬だと思うんですが、最初はどんなきっかけで札幌へ引っ越しをしたんですか?

当時地元では靴屋で働いていました。若いうちに色々チャレンジしてみたいなと思って、1人でネパールへ行ったりもして、今度は国内でどこか違う場所へ移住してみようと思い立ったんですよね。それで「北海道にしよう!北海道といえば、牛だろ!」と思って(笑)酪農をすることにしました。

ばあちゃんもじいちゃんも農業をしていたので、よく考えたら卒業アルバムにも「将来の夢は農業」って書いてたんですよ。近隣に牛小屋がたくさんあったのでよく訪れていて、子供の頃の夢を叶えられるなと思って決めました。
調べていくと、過疎地域では働き手をいつでも常に募集している様子でした。農協に電話して履歴書を送ったらすぐに農家さんを紹介してもらえて、移住を決断。プレハブハウスのような家も建ててくれて、光熱費もかからないし、車も1台貸してくれて、給料は低いけれど生きていくには困らない、そんな環境でした。

もちろん肉体労働なんでキツかったですけどやりがいがあって楽しかったです。酪農って生き物を相手しているので休みがないんですよ。毎日掃除して餌やりして、毎日2回乳搾りしないと病気になっちゃうし、天候が悪くても体調が悪くても、お世話が必要なんです。

そして毎日お世話をしているからこそ、自分が関わっているものが食卓に並ぶのってすごいことなんだなって思いました。乳牛のホルスタインもいずれは肉牛になったり、最終的にはドッグフードとかになったりしてる部位もあるみたいで…それに対してもいろんな意見はあるんでしょうけれど、「余すことなくいただく」ということなんだろうなと思っています。今ビジレザでしているのも同じことですよね、食肉文化でいただいた牛の、皮まで大切に使わせていただきますっていう。

ーその後どうして札幌へ引っ越すことになったんでしょう?

当時から付き合っていた妻と同棲することになったので札幌に引っ越しを決めました。それで転職もしなくては!ということになり一度は農業も検討したんですが、改めて自分は何をしたいんだろう?と考えた時に、「やっぱり人と関わる仕事が向いているかなぁ」と思ったんです。

そこでなにげなく求人をみていると、ビジネスレザーファクトリー札幌店のオープニングスタッフを募集しているのを見つけ、ボーダレス・ジャパンのホームページまでたどり着きました。見た瞬間に「これだ!」という衝撃が訪れたんです。今でもあの出会いは神がかっていたなと思います(笑)

なんせ自分が今までやってきたことが全部凝縮されている。1つは接客。そして酪農に携わったからこそ知った、過疎化などの社会問題。さらにはネパールで見た貧困。牛革製品も牛だし、ものすごい運命を感じてしまって、すぐに応募してオープニングメンバーに滑り込みました。

買い物は、思い出になれる。

スタッフ インタビュー 町田

ー改めて販売職に戻って、その魅力ややりがいはなんだと思いますか?

自分は”買い物”がとにかく好きなんです。だからお客様の気持ちがわかるんですけど、お店で買うことって「思い出」になるのがいいなと思っています。

今じゃネットでなんでも買えるようになりましたけど、ポチッとして届くだけだと基本的には物しか残らないと思うんです。でも買い物は、買うまでのプロセスとかどこで出会ったとか、どんな店員さんだったか、その時どんな話をしたか、帰り道はどうだったか、家で開ける時どんな風に思ったか・・・など思い出になりうる要素が多い。

人は思い出になったものは、特に大切にすると思っています。だから自分がお客様の”いい思い出”になれる接客をしたら、物を大切にしてもらえることにも繋がるなと思っています。そもそも本革製品って耐久性があって長く使えますし、うちではレザーケアで引き続きお付き合いもできるので、それって一番のサステナブルなんじゃないかなって思っています。

ーちなみにシューズの接客に定評があると聞きました!

そうなんですよ。靴屋で働いていたので、細かくフィッティングする技術がたまたまあったんです。それを駆使してお客様にぴったりのサイズの靴を導き出してお出しすると、本当に喜んでいただけます。

靴のサイズ表記ってあくまで目安なので、「まずは足を測ってみませんか?」とご案内するのですが、実際ご自身の正確な足のサイズを知らない方がとても多いんですよ。縦幅だけでなく横幅や高さも全部測らせていただくので、お客様のおっしゃったサイズと1cmも2cmも違うなんてこともよくあります。

細かく測ることは一見時間がかかるように見えて、お試しする回数も極限まで抑えられるのでお客様にとってもスピーディーでいいんですよ。もちろんぴったりの靴は履き心地も良いので、リピートにもつながりますしお客様にとって”専属の人”になれますよね。

スタッフ インタビュー 町田

ーこの先の目標はなんですか?

札幌店を「ファンを一番作る店舗」にしたいです。札幌の地下街の中でもかなり人通りが多いところに出店をしているので、全国的にみても入店数が多く、そうなれる可能性がとても高いんです。

今実は店長になりたてなんですが、この一年はマネジメントを勉強してチーム作りに重きをおきたいですね。素敵な人たちがいることが、ファンを作ることに一番繋がるので、そこに一番重きを置いて頑張りたいです。そして店長である以上、会社やブランドのことも誰よりも考える人でありたいと思っています。

それともう一つ。バングラデシュで今シューズ専属工場が立ち上がったんですが、ここを現地で初のグッドイヤー*の工場にしたいと思っています。今バングラデシュには一軒もないそうなんですが、これが実現したら世界中からオーダーが殺到すると思います。

オプちゃん(シューズ工場のリーダー)の靴工場をそういう風にしてあげたい。世界中からオーダーされる靴工場ができたら、きっと誇りを持って働けて楽しいだろうし、純粋に雇用数も増やしていける。そんな未来を思い描いています。
3年前に実際に現地へも行きましたけど、本当に楽しかったな。そこには日本では吸えない空気があって、歓迎してくれる工場のみんながいて、言葉はあんまりわからなかったけれど一緒にクリケットもしました。またすぐにでも行きたい!と常々思っています。

*グッドイヤーとは
正式名称グッドイヤー・ウェルト製法と呼ばれる革靴の製法のひとつ。製造工程やパーツの数が多く、複雑な構造をしているため、最も難易度の高いと言われている。構造上、ソールを何度も交換することができるため、永く革靴を履き続けることができる。

*足の計測サービスは、現在札幌店のみです。

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