「わからない」が楽しい交流を生む!? 勤続約50年ベテラン教師の「はたらくを楽しく」の秘訣とは?<働くを楽しくのヒントを伝えるマガジン>

アイキャッチ インタビュー

こどもの頃、学校や塾など家族以外の身近な大人として、お世話になった“先生”。

実際に先生として働いたことはなくても、生徒としてその仕事を近くで見てきた人がほとんどではないでしょうか? 保護者以外の身近な大人として、憧れを抱いた人もいると思います。

そこで特別企画として、あらゆるポジションで活躍されている「先生」シリーズをご用意しました。
イキイキと働く先生の姿にも、「はたらくを楽しく」たくさんのヒントがつまっています。

今回お話を伺ったのは、私立静岡聖光学院で美術を教え続けて約50年を迎える、勝山先生。
やるべきことに追われる毎日ですが、勝山先生のお話を伺っていると、何事も自分1人でなんでもやろうと頑張らなくてもいいのだと思えてきたのです。

今回は勝山先生の「はたらくを楽しく」を実現するためのヒントを、インタビューに同席してくださった田代先生のコメントと一緒にお届けします。


<語り手>勝山 陽子(かつやま ようこ)先生

プロフィール
静岡聖光学院中学校・高等学校 美術科講師

武蔵野美術大学造形学部美術学科芸能デザイン専攻卒業。創立3年目の静岡聖光学院中学校・高等学校に非常勤講師として着任し、今年で勤続48年目を迎える。聖光学院での勤務と並行し、静岡市内の公立中学校の美術の授業や、幼稚園の教員を対象にした美術の授業を担当。美術の授業の他、技術・理科・音楽をはじめとした他教科との学びを融合した「BIGIRION(美・技・理・音)」という考えを提唱し、早くからSTEAM授業を実践してきた。

副教頭 田代正樹(たしろまさき)先生

<ライター>クリス

ライター

●もくじ
1.やってみたら楽しかった教師という仕事
2.昼食のおかずや近所の畑で生まれる
 コミュニケーション

3.「わからないから教えて」の循環を楽しんで


やってみたら楽しかった
教師という仕事

インタビュー

――――勝山先生は、武蔵野美術大学の造形学部美術学科で芸能デザインを専攻されていたと拝見しました。おそらくさまざまな道があったかと思うのですが、その中でなぜ先生になろうと思われたのでしょうか?

勝山先生
実は、先生になるつもりはなかったんですよ。大学を卒業してからはデザイン会社に勤めたり、フラフラしたりしていました(笑)。

さあ仕事を探そうと動き出したときに、できたばかりの静岡聖光学院の美術教員の枠が産休代理で空くことになって。先生になったのは、本当にタイミングでした。

こんな偶然のタイミングで始めた教師という仕事でしたが、やってみると思いのほか楽しかったんです。

教師って、学びの連続なんですよ。自分が教えている部分ももちろんありますが、生徒たちから教えてもらうこともたくさんあって。
美術の授業でも、自分では考えられないような表現や課題解決の方法がどんどん出てきますから。

実際に約20年前に美術の授業で、オリジナル楽器作りに生徒たちと挑みました。
楽器と言ってもおもちゃのようなものではなく、きちんと音が鳴る、使える楽器を作ろうと。

となると音が鳴りヒトの耳に届く仕組みや音色の特徴、楽器に使う素材などについても学ぶ必要があります。そこで理科や音楽、技術の先生にも協力を仰ぎ、教科を横断した授業を展開したんです。


田代先生VOICE>

インタビュー

昨今、科学・技術・工学・芸術・数学の各教科を横断的に指導する「STEAM教育」への注目が高まっていますよね。それを静岡聖光学院では、勝山先生発で20年くらい前から取り組んできました。当時はSTEAM教育なんて言葉もなかったので、美術、技術、理科、音楽の頭文字をとって「ビギリオン(Bigirion)」と名付けて。おかげで投稿ではSTEAMではなくビギリオンですっかり定着して、今ではその授業のための「ビギリオンガラージ」という部屋もできたほどです。


昼食のおかずや
近所の畑で生まれる
コミュニケーション

――――非常にオリジナリティ溢れる授業で聞いているだけでワクワクしました。しかし教育指導要領や学校や学年で用意したカリキュラムに則ることを重視する日本の教育現場で取り組むとなると、ハードルが高いようにも感じます。

勝山先生
静岡聖光学院は教科書に捉われない授業への挑戦を柔軟に取り入れている学校なので、このような教科を横断したオリジナルの授業もできるのだと思います。

もちろんカリキュラムがしっかりあることは、授業の組み立てやすさといったところでは利点だと思うんです。
ただそこがビギリオンのような横のつながりが肝となる授業をする上では欠点にもなりえる。教師間のコミュニケーションがしっかり取れている学校であれば、実践できる可能性はあると思いますよ。


――――ビギリオンのような教科を横断する教育には、教師の横のつながりがとても重要になることがわかりました。静岡聖光学院流、先生同士のコミュニケーションを深めるコツのようなものがあるのでしょうか?

インタビュー

勝山先生
年代関係なく教え合える雰囲気はありますね。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で学校が一斉に休校になってオンライン授業をするとなった時も、パソコンやタブレットの操作を若手の先生にたくさん教えてもらいましたし。

また普段から、授業や仕事以外の場面でも楽しくいろいろ話しています。これは教師同士だけでなく生徒との間でも共通していて。

実は学校の近くでをしていたり、小さなかまどを作ったりしているのですが、そこに生徒たちもよく顔を出してくれるんですよ。教師間だけでなく、生徒とも授業以外でのコミュニケーションは大切にしています。

田代先生VOICE>

インタビュー

「ビギリオン」が実現できているのはきっと、静岡聖光学院の教師間にものすごく強い横のつながりがあるからだと思います。
実際にこのような授業を取り入れるとなると、教科ごとのカリキュラムや縦割りがしっかりしていて、他の先生がどんな授業をしているか、何が好きで得意なのかを互いに理解していないような環境だと難しいでしょう。

また勝山先生が言っているように、本校の教員間では授業や仕事ではない場面での交流も盛んです。

勝山先生は昼食によくおかずを持ってきてくれるんですが、それが話題提供となり、教師同士の“人となり”を知る機会にもなっているようで。

そういう授業ではない部分でのコミュニケーションを大切にしているからこそ、ビギリオンのような実験的授業が実現できているのではないかと感じています。



「わからないから教えて」の
循環を楽しんで

インタビュー

――――教師という仕事に対するネガティブな印象が強まっている昨今。勝山先生が今の仕事を楽しいと続けてこられた理由について教えてください。

勝山先生
なんというか私は、「先生である」という意識をあまり強く持っていないのかもしれません。というのもやはり、私自身が周りの人にたくさんのことを教えてもらって刺激を受け続けているからだと思います。

また学校という場所は、新陳代謝が盛んな環境です。

毎年生徒も変わりますから。そういう環境だからこそ、1つのやり方に捉われていてはダメだと思うんです。目の前の生徒のために何ができるのかを考え続ける――。私はここに、ワクワクを感じるんです。そして静岡聖光学院は、このワクワクをとても大切にしてくれる学校なので、ここまでずっとやってこられたのだと思っています。

この仕事の面白さはきっと、「周りがサポートしてくれる」「1人ではできない」という感覚を味わえるところにあるんですよ。今は検索すればいろんな情報をすぐに手に入れられますよね。

ただ、相談することで発見できる
「1人では見つけられなかった解決法」もあります。

そしてその相談を通してその人を、その人の経験を知ることができる――。

「わからないから教えて」と気軽に声をかけあい、そこから新たな気づきや循環が生まれればきっと、どんな仕事も楽しめると思います。

――――勝山先生、田代先生、ありがとうございました!

「わからない」「教えて」
社会人として、ビジネスマンとして経験を積む中で、徐々に簡単に口に出しにくくなるような気がしていたこの言葉。しかしこの言葉を発することでしか得られない学びや周囲との交流があるのだと、勝山先生や田代先生が語る静岡聖光学院の様子から教えてもらいました。

「学校は多様性に溢れた環境です。教師だって、年齢、年代が異なりますよね。ただ本校の場合、どの先生も年齢を理由に成長することを諦めない姿勢があるような気がしています。勝山先生の自ら学ぶ、新しいことを吸収する姿もきっと、周りの先生たちに大きな影響を与えているのではないでしょうか」

インタビューの最後に田代先生は、日々ともに働く先生方と勝山先生に対して、このようにおっしゃいました。

「わからないから教えて」と学びあうことを楽しむ姿はきっと、自分にとってはもちろん周りにとっても「はたらくを楽しく」へと繋がるはずです。


▼先生シリーズは
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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