ビジネスレザーファクトリー｜価格改定のお知らせ（背景）

Dec 1.2020

価格改定のお知らせ（背景）

お知らせ

平素よりビジネスレザーファクトリーをご利用いただき、誠にありがとうございます。

この度、2020年12月15日(火)より、すべての革商品を新価格に改定させていただくことにいたしました。今回の価格改定に至るまでの背景を、ビジネスレザーファクトリーを応援してくださるみなさまに、お伝えしたいと考えております。

2020年3月オープン大手町店

私たちビジネスレザーファクトリーは、2014年にアジア最貧国のひとつであったバングラデシュで、未就学・未経験などの理由から、働きたくても働けない経済的に貧しい人々の雇用を創出するために始まりました。現地で自社工場を作り、障がい者やシングルマザー、親のいない若年層などを優先的に採用、彼らが安心安全な労働環境で安定的な収入を得ることができ、仕事に誇りややりがいを持って働くことができる理想の工場を目指し、これまでものづくりに向き合って参りました。創業時、ゼロからのスタートだった私たちは、バングラデシュの仲間たちとともに、日本の老舗メーカーで丁稚奉公としてものづくりの修行をさせていただきました。そのため、ビジネスレザーファクトリーのすべての製品には、日本のものづくりの “心”と “技”が詰まっております。日進月歩ではありましたが、現在は日本のお客様に安心して選んでいただける品質を安定的に実現できるようになりました。

創業時の自社工場

日本では、バングラデシュの職人たちが心を込めて作った革製品を、“GOOD PRICE, GOOD LEATHER” をコンセプトに、圧倒的な低価格でお客さまにお届けして参りました。ECモールの販売からスタートし、たった数日間の期間限定店を何度も重ね、2015年には念願の直営店舗の一号店をオープンいたしました。現在では全国18店舗の直営店舗を展開し、毎日たくさんのお客さまにバングラデシュの職人たちが作る革製品をお届けできるようになりました。

2015年直営店舗第一号福岡天神店

たった2人で始まったバングラデシュの自社工場は、今では900人の人々が “職人”として働くことができるようになっています。ひとえに皆さま方のご愛顧の賜物と心より感謝申し上げます。

バングラデシュの職人たち

そんな私たちには、実現したい理想の未来像がございます。これからも、働きたくても働けない貧しい人々の雇用を創り続けていくこと。そして「働く」だけでなくよりよく「生きる」ことも実現できるコミュニティーを創っていくこと。そのコミュニティーでは、地方から働く場を求め都市に来た人々に居場所を提供できる“住居”や、慢性的な栄養失調の人々に食事を提供できる“食堂”や、さらには仲間と仲間の家族への教育や医療の機会もつくっていきたい。それは、ひとつの大きな村のようなコミュニティーです。私たちはそれを「ヴィレッジ構想」と呼んでいます。2017年には自社工場には託児所をつくり、ついに今年念願のアフタースクールも作りました。いつかこのヴィレッジに、お客さまもお連れするツアーも始めたいと考えております。そして、近い将来には働きたくても働けない人々が存在する地域・国で、雇用を創出できる生産拠点を新たに作り、ヴィレッジ構想というロールモデルを、世界中に広げて行きます。創業から6年、順風満帆ではありませんでしたが、たくさんのお客様の応援や共感をいただきました。一方で、ここ数年で私たちを取り巻く環境には、大きな変化もありました。

バングラデシュ工場上空

バングラデシュの国全体の著しい経済成長です。製造業も牽引し、同国全体の経済は急成長を遂げました。一方で、経済成長にも関わらず、一日数ドル以下で生活する貧しい人々は、いまだ多く存在しているのが現実です。私たちの自社工場で働く仲間たちは、働いた経験のない、ものづくりの初心者ばかりでした。他の工場では門前払いされてしまう、あるいは採用されたとしても不当な低賃金や給与の未払いなどに苦しむ人々。私たちは、周辺工場よりも高い給与水準を設定し、習得した技術に応じて安定的な給与をこれまでも実現してきました。

2019年、国全体の給与水準があがりました。それに伴い、私たちの仲間たちの給与もまた、大幅にあげることに致しました。彼らにとって、ようやく手に入れた安定的な生活を、これからも維持できる給与水準をこれまでもこれからも実現していきたいと考えております。一般的な経営判断であれば、より安価な労働力を求めて、他の生産拠点を求めていくでしょう。一方で、私たちの事業目的は、貧しい人々の雇用を創り続けること。給与水準が上がったという理由で、自社工場からの “撤退” という選択肢はありません。彼らの給与水準が、バングラデシュ国全体の経済成長に合わせて上がることは、心から喜ばしいことです。そのため、結果として私たちの商品原価は、上がることとなりました。