ビジレザのものづくりのアンカーを担う販売メンバーたち。彼らがビジレザで自分らしく働いている姿にスポットを当て、お伝えしていきます。今回は、東京大手町店で活躍する、店長 都 彩音(ニックネーム:おとちゃん)をご紹介。カンボジア・アメリカ・バンコクなど様々な国を巡り、自分の目で見て考えた国際協力とは?「寄り道に見えたものも、全部の点がいつかは線になる」と笑顔で語る、若き店長 都の声をお届けします。
直感で判断して、エイ!と飛び込むタイプ。

ーおとちゃんはずっと英語や国際協力に興味があったと聞いています。どんなきっかけだったんですか?
父の影響で昔から70-80年代の洋楽が好きだったんです。それがきっかけで英語に興味を持つようになり、大学を選ぶ時には「絶対に留学しよう!」と決めてました。ALTの先生の授業も楽しくて、音も綺麗で文化も興味深いし、洋画も好きだし・・・勉強するのも苦じゃなかったんですよね。
でもそんな私が初めての海外で選んだ場所は「カンボジア」です。当時大学一年生で、スタディーツアーを利用して訪れました。英語圏の文化が好きで英語を勉強しているのになんでカンボジア?と自分でも思うんですが、高校の時に授業で「国際協力」を知ってから、ずっと心の片隅にあったんです。
写真でしか見ていないけど、どうやら着ているものも食べているものも、環境もなにもかもが違うらしい。自分の目で確かめたいと思ったんですよね。
ー気になったら行ってみる。そこで実際に見たもの・感じたものはなんだったんでしょう?
結果的に「幸せってなんなんだろう?」と思って帰ってきました。なぜならそこにいる人たちは質素でもとても幸せそうに暮らしていたからです。
その後、改めて本格的に英語をもっと勉強するためにボストンへも留学しました。なんでもチャレンジしてみようと思って、カフェに出かけて現地の友達を作ったり、ボランティアにも参加したり…。
ボストンは日本よりもホームレスが多くいたこと・その置かれている状況がひどかったことを覚えています。アメリカは実力主義なんで、こういう方たちはどんどん置いてけぼりになるんだなと思いましたね。一方で私はいろんなボランティアに出かけているのに、この人たちのためにはなれていない。カンボジアでの出来事や、この時感じたやるせない気持ちから、「貧富の差」「国際協力」などが当時からずっと私のテーマだったんだと思います。だからどこへ行ってもそれが目についたんでしょうね。

ー帰国後はどんな選択をしたんですか?
授業で「ソーシャルビジネス」という言葉を知った時に「これだ!」と思いました。ボランティアって正直「一時的にボランティアをする側のやりたいことをする」みたいな印象が強くて、これでは解決できないと思っていました。
だからこそビジネスでアプローチして持続可能な支援を形にするのがベストだと。ただ、就活時の私はそれをやろうにもスキル自体がない。だからどこかの企業で一度力をつけようと思い、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)をやっている会社のバンコク支部のカスタマーサポートとして就職しました。
どうせなら面白いことをしたいという想いがあったので「バンコクで働ける!」というのが自分にとってはよく映ったんだと思います。でもそこでする仕事自体は指示された事務仕事がメインで、誰かの役に立つよりも利益をとにかく追求しなくてはならない。当たり前なんですけどね。いくら海外に滞在できても「これはしたいことじゃないんじゃないか」と気づきすぐにモヤモヤしてしまったんです。
そこで、ソーシャルビジネスを知った時からずっといいなと思っていた、ボーダレス・ジャパンのサイトを見て「私がやりたいのはやっぱりこれだ!よし、やっぱりボーダレスグループに入ろう!」と勝手に決めて一気に舵を切りました(笑)。
多様であることを理解した先にチームワークが生まれる。

事業開発で応募したんですが、面接を担当してくれたチホさんに言われたんです。「そんなに店舗や接客に対する想いやアイディアばっかり出てくるのに、なんで店舗を志望しないの?」と。
「確かにそうか!」と思いました。もともと接客はスターバックスでアルバイトをしていたこともあって得意でしたし、事務の仕事を経験した時に座りっぱなしで同じ作業をすることは心底合ってないなと思っていたんですよね。それが面接で知らず知らずのうちに言葉として出ていたみたいで。道を正してもらえて良かったなと思っています。
そこから大手町店のオープニングスタッフとして入社して、2年目には前任の店長の異動があったので、次期店長として就任しました。まさかの展開でびっくりしましたね。
ーおとちゃんは努力を怠らないし、人に対する想いがとにかく強い人。文句なしの抜擢だったと思います。店長になって変わったことはありますか?
正直言って何もかも変わりました。スターバックスで働いているときからサービスに関しては誰よりも考えてきたんですが、店長になるとそれだけではダメでした。物事の見え方や捉え方がガラリと変わって、「メンバーに対してどうあることが良いのだろう?」というのを常に考えるようになりました。
やっぱりみんなには、めっちゃ楽しい状態で働いてほしいと思うんです。でも「楽しい」と一言で言っても、みんなそれぞれの角度で大事にしていることや順番が違います。
価値観の違いで起こる衝突って私はあるべきものだと思っているんです。でもそれは大切にしているものの順番が違うだけで、根っこの想いは一緒だったりする。だからこそみんなを束ねて意思決定をすることが難しくもあり、面白いなと思います。

ーどうしても迷ってしまった時はどうしているんですか?
全部紙に書き出します。「なんで今の自分はこんなにイケてないんだろう?」というところからどんどん派生して広げていくと「みんなの意見を聴きすぎて苦しくなっているな」とか「やりたいことがあるのに言語化しきれていないな」など、自分の課題が浮かび上がってくるんです。
アナログだけどこの方法が私には合っているみたいで、書いていると「この前も同じことで悩んでたじゃーん!」みたいなこともあったり(笑)
あとは自分の悩んでいる過程を可視化することで、メンバーの悩みがよく見えることもあります。「きっとここが悔しかったんじゃないかな」とか、「あの人はこういうやり方が合っているんだな」とか。もちろん汲み取り切れずに持ち帰って悩むことも、まだまだ多いんですけどね。

ー今一番したいことはなんですか?
バングラデシュに行くことです。(即答)
これまでは店舗のメンバーも全員交代でバングラデシュを訪れていたのですが、コロナ禍になってそれがなかなかできなくなってしまいました。でもやっぱり商品を作ってくれているみんなに会いたいし、その過程も見たいです。そして誰かの役に立てているということを実際に目にすることが、私の大きな糧になるんじゃないかと思います。しっかりこの目に焼き付けて、お客様にも「こんな風に作られています」と、よりリアルに説明できるようにしたいですね。
またゆくゆく私は、新しいことをやりたい人に対して、後押しやサポートをする側に回りたいです。自分のいる店舗だけじゃなく、もっと広い視野で見て「やりたいことをやって輝く人を増やすこと」これがこの先の目標です。
英語が好きになったことも、なんとなくカンボジアに行ったことも、バンコクで働いたことも、全部巡り巡って今の自分を作っているなぁと感じます。一見寄り道に見えたものも、全部の点がいつかは線になる。そう思って毎日前に進めたらいいですね。