なめしが違えば革も変わる?植物タンニンなめしとクロムなめしの違い

私たちの身近に溢れている革製品。ですが私たちがその工程を事細かに知る機会はあまりないですよね。

実は、“皮”が“革”になり、私たちの手元に届くまで、様々なプロセスを経ているのです。

その中で革の特徴を大きく左右するのが「なめし」という工程です。その「なめし」の技術の中で主流なのが、「植物タンニンなめし」と「クロムなめし」。今回は二つのなめし方法とその特徴についてお伝えします。あなたの革製品がさらに愛おしくなること間違いなしです。

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1.「なめし」とは?

皮を柔らかくと書いて「鞣す」。そもそも革の原点は動物の皮膚である「皮」なのです。その毛や汚れを落とし、文字通り柔らかくする技術が「なめし」です。

「なめし」の起源は、私たちの祖先が狩猟を始めたころにまで遡ります。日本では塩、水、菜種油などを使用するなめしから始まり、現代にいたるまで飽くなき探求心でなめしの試行錯誤が行われてきました。

では、「皮を鞣す」また「鞣し皮」の「鞣す(なめす)」とは、どんな意味なのでしょうか。
動物の皮は柔軟性に富み非常に丈夫ですが、そのまま使用するとすぐに腐敗し、乾燥すると板のように硬くなり柔軟性がなくなります。

この大きな欠点を樹液や種々の薬品を使ってこの欠点を取り除く方法が「鞣し」と言います。鞣していない状態を「皮」と呼び、鞣したものを「革」と呼び区別しています。

2.植物タンニンなめしとクロムなめし

植物タンニンなめしとクロムなめし

タンニンとは植物にある水溶性の化合物です。動物性タンパク質と結合させる鞣しで、起源は古代エジプトにまで遡ります。日本ではミモザの木がなめし剤として使用されます。

その工程は20にも上り、約2カ月の時間を要します。手間がかかる「天然なめし加工」を全行程で行うのは、日本では数社しか残っておりません。植物タンニンなめしでなめされ、その他の加工を行わない革は「ヌメ革」と呼ばれます。

2-2.クロムなめしとは?

クロムは塩基性硫酸クロムと呼ばれる化学薬品です。クロムなめしは100年ほど前にドイツで開発されました。

クロム鞣し

時間と手間がかからないので、現在流通しているほとんどの革製品がクロムなめしを行っています。日本でも戦後の高度経済成長期に多くのタンナーがクロムなめしに切り替えたと言われています。柔らかく頑丈なクロムなめしの素材は車やソファなどに使われています。

3-1.植物タンニンなめしのメリット・デメリット

レザーシューズ

植物タンニンなめしの良さはなんといってもエイジングが楽しめること。使い込んだ時間と共に革が柔らかくなり色艶が増してくるので、自分で革製品を育てていく喜びがあります。

また、植物性の材料を使用しているので、環境にも人にも優しいのが特徴です。

長所と短所は表裏一体ともいいますが、植物タンニンなめしのデメリットは雨に弱く、変色・変化が激しいことでしょうか。

恋人に感謝や愛の言葉を伝えつづけることが良好な関係につながっていくように、植物タンニンなめしの革製品も、日々のブラッシングと共に、月に数回クリームでお手入れしてあげなければなりません。その手間を愛おしいと思える人にはぴったりです。

3-2.クロムタンニンなめしのメリット・デメリット

クロムなめしのメリットは、タンニンなめしと比べて変色・変化が控えめで、メンテナンスを頻繁に行う必要がないことです。薄くて軽く、革も柔らかいのも魅力でしょう。

クロム鞣しのメリット・デメリット
耐久性があるクロムなめしの革は、身に付ける衣類、カバン、クツなどに利用されています。

デメリットは、クロムなめしは重金属系なめしのため、アレルギー体質の方には不向きの場合があります。また植物タンニンなめしのような経年変化はあまり楽しめません。

4.どっちの革を選べばいいの?

「じゃあどっちの革を選べばいいの…?」
もちろん、手に取った革製品を気に入ることがまずは第一です。皮そのものが持つ表情があるため、実際にお店で革製品を手にとってみて、革そのものを感じてみてください。実店舗で購入すれば、お店の方に直接革のなめし方についても聞くことができるので、おすすめです。

革小物のエントリーブランドとして定評があるビジネスレザーファクトリーは、名刺入れやカードケース、キーケースなど100種類以上の革小物を用意しています。

革小物は400円から10,000円前後、革バッグも10,000円から22,000円の単価で本革製品を販売しているので、本革アイテムが欲しい人は一度公式サイトをチェックしてみてくださいね!

⇛⇛ビジネスレザーファクトリーの公式サイト

5.植物タンニンなめしと脱クロムの商品紹介

5-1.植物タンニンなめしの商品

GANZO財布
GANZOの革財布は、染色・塗装などがされていない、タンニンなめしを施しただけのヌメ革をふんだんに用いてつくられています。

まさに、植物タンニンなめしの良さを味わうにはもってこいの革製品です。

ヌメ革は、紫外線、熱、摩擦などの刺激によって、革の中の油分が少しずつ表面に染みだして、独特の光沢が出てきます。そのため使えば使うほど、自分だけの経年変化を楽しむことができます。

耐久性に優れた植物タンニンなめしは、丁寧に手入れを続けていれば何十年と長持ちします。

商品名: Minerva Natural (ミネルバナチュラル)ファスナー長財布
価格:24,840円(税込)
▶︎Minerva Natural公式ウェブサイト

5-2.「脱クロム」の商品

一度クロムなめしで強く・柔らかくなめした後、機能が残る限界ギリギリまでクロムを取り除き、植物タンニンなめしを施した革を「脱クロムレザー」といいます。

クロムなめしの後、植物タンニンでなめすことで、自然の皮の風合いを活かしなめすという姫路の職人さんの探求心が生んだ特殊技術です。

軽くて強いというクロムレザーの特徴と、革の風合いを楽しむという植物タンニンなめしの特長の両方が楽しめる商品
となっています。

FEEDBAG財布

商品名: 長財布 FEED BAG
価格:15,000円(税抜)
カラー:全10色
▶︎Minerva Natural公式ウェブサイト

6.まとめ

植物タンニンなめしとクロムなめし

「プレゼントで初めて革製品をもらってから、その良さに気が付いた」

「憧れの人の持っている革財布がカッコイイ」

「永く使えるのはやっぱり革製品」

革製品の入り口は人それぞれだと思います。決して安い買い物ではないからこそ、お気に入りの革製品は大切に長く使っていきたいですよね。

革の特長を大きく左右するなめしは、知っておけばより革の世界を楽しむことができます。ぜひ、これから革製品を選ぶ人はその違いを理解して、選んでみてくださいね!

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